千住の洋食店「キッチンフライパン」(足立区千住1、TEL 03?3881-4304)が4月16日、40周年を迎えた。
伊藤正美さん・延江さん夫婦が「全てのメニューにファンがいる料理を提供したい」との思いで、1978(昭和53)年に開いた同店。ご夫婦の地元、会津のソウルフード「ソースかつ丼」が話題を呼び、連日多くの客が地元のみならず全国から足を運ぶ。
マスターは会津から上京後、北千住にある洋食店「梅鉢」で7年間修業。29歳で自身の店を立ち上げたいと、足立区役所が隣にあった現在の場所に店を構えた。店名の由来は、自宅でフライパンを振って料理の練習をするマスターに「お父さんのお仕事、フライパンでしょ?今日もフライパン頑張ってね」と娘さんが応援してくれたことがきっかけという。
区役所移転の際には、移転先の前に「ふらいぱん」という居酒屋形態の2号店を出店。このときに焼き鳥などの居酒屋メニューを開発し、現在の「フライパン」のスタイルを作った。
「ソースかつ丼」に使うソースは、40年間つぎ足してきたオリジナル・デミグラスソースをベースにしたもの。このソースに特大の豚ロースカツをくぐらせ、細かく手仕事でカットされたキャベツと会津米の上にのせた「特大ロースソース丼(石ちゃん丼)」(1,100円)が看板メニュー。
ソースかつ丼は5種類を用意。ボリューム感のあるチキンカツをのせた「チキンソースかつ丼」、「ササミソースかつ丼」、「ロースソース丼」(以上800円)、ヒレカツをのせた「ヒレソースかつ丼」(1,000円)があり、ランチタイムには自家製のコーンスープかみそ汁が付く。
「マスター秘伝」というタレを添える「馬刺し」(800円)、そのタレを加えて煮込んだ「モツ煮込み」(500円)、デミグラスソースをベースにアレンジした「チキンソテー」(780円)もお薦め。ビールは中ジョッキ(600円)、ちびビール(350円)、酎ハイ、ハイボール(以上400円)。
これまでの40年間を振り返り、マスターは「必死だったので結構早かった。今でも雨の日も風の日も足立区役所に弁当を配達に行く。毎日夫婦そろって健康にお客様をお迎えできるのが幸せ」と話す。
地元の女性常連客の一人は「親子3代で『フライパン』にお世話になっている。どの味もマスターとママの優しさが詰まっている。これからもずっと元気に頑張ってほしい」と話す。ご夫婦も「元気な間は店を続けたい。さらに愛される店になれれば」と応じる。
営業時間は、ランチ=12時~13時30分(ラストオーダー)、ディナー=18時30分~21時30分(同)。土曜・祝日は夜のみ営業。日曜定休。