足立区千住学園通りの路地裏に6月16日、「ROJIBI(ろじび=千住旭町路地裏美術館)」(足立区千住旭町)がオープンした。
北千住で空き家を再利用する取り組みを続けているNPO法人「千住芸術村」代表の加賀山耕一さんが、加賀山耕一さんが、古民家の家主のご親族を通じてお借りしたいと頼み込んだのがきっかけ。再生された古民家は今回で7棟目となる。
同館は、築90年ほどの2軒長屋を1年がかりでDIYして再生したもの。建築デザイナーの猪又嵩史さんがデザインを手掛けた。「地域の皆さんとつながっていけたら」との思いから、路地とつながっている開かれた空間をイメージしてデザインした。「残すものは残す、必要最低限しか手を入れない」というこだわりから、庭に生えていた木は一本も抜かずに生かしている。
「若手アーティストの活動と交流を後援したい」との願いから、一般の貸しギャラリーのように出展する作家がレンタル料を払って展示するのではなく、来館者が払う入館料が施設維持費となる初めての取り組み。「若手作家が展示しやすい環境をベースに、お茶を飲んだり、おしゃべりしたりしに気軽に来られる美術館を目指している」ことから、入館料300円(中学生以下無料)にはワンドリンクも含まれている。
1回目の企画展は、筑波大OBの川島史也さん・宮崎みどりさんによる「二人展」。木や漆、ガラスなどによって新たな表現を模索した作品を7月20日まで展示している。作品にちなんだ子ども向けワークショップ「海の生きものを作ろう」も同時開催。同館再生時にでた古板に色を塗って海に見立て、その上にを紙粘土で作った海の生き物をあしらっていく。大人も参加でき、参加費は無料。
大橋環館長は「散歩がてら気軽に寄っていただきながら、本物の美術作品と作家に触れ合っていただけたら」と呼び掛ける。企画展示を行っていないときは、コワーキングスペースとしての活用も考えている。「地域の皆さまの要望を受け入れ、いろいろ対応していけたら」。空き家という特性上、開館期間は来年5月までだが、「ご縁が続けば(期間が)延びるかもしれない」とも。
開館時間は11時~18時(入場は17時30分まで)。月曜休館(祝日の場合は翌火曜が休館)。