西新井大師(足立区西新井1)で7月20日・21日、イラスト展「あだちひとまち百景・西新井の巻」が開かれた。主催はあだちマーチング委員会。
「あだちの風景」をイラストで残し、街の魅力を発信している同委員会。地域活性化を目指す地元印刷会社9社とイラストレーターの上野啓太さんで構成される。
同展覧会では、あだちのさまざまな場所を切り取った約70点のイラストと、その場所にまつわる解説文を展示。中には、1964(昭和39)年に取り壊されるまで長らく千住のシンボルであった「おばけ煙突」や、23区を代表するプール施設で2001年に幕を下ろした「東京マリン」など、既に見ることのできなくなった景色も。
「懐かしい。子どものころ、よくこの辺で遊んだ」と地元出身の来場者。同じイラストでもその人や世代によって想起されることが全く変わるのが特徴だ。
「見てくれた人が主人公となり、自然と会話が生まれるように、あえて作家性は出していない」とイラストレーターの上野さん。「写真も良いが、絵というフィルターを通すことで、その人の感性に近づくことができるのかもしれない」とも。その景色に対して抱くイメージに合わせて象徴の大きさを調整したり、普段の景色を切り取るためにあえて車や人も描き込んだりと、イラストならではの「演出」も施しているという。
イラストは地元金融機関に貸し出されるほか、北千住駅東口の「壁画の道ギャラリー」(不定期)でも見ることができる。また、ウェブサイトでは、絵はがきやカレンダーなどの通信販売も行っている。