日光街道と奥州街道の日本橋から1番目の宿場町で、江戸四宿の一つである「千住宿」の御宿場印「初宿 千住宿」の販売が、お休み処千住街の駅(足立区千住3)で始まり1カ月がたった。
発案は足立成和信用金庫。「千住宿」のデザインは地域の特色が詰まっている。文字は、河原町青物問屋星野家伝来の江戸時代に書かれた古文書「議定証文之事」に使われていたもの。中央の朱の印は、千住仲町に住んでいた町役人高尾家に伝わった公印「千住宿伝馬所」。背景に印刷されている浮世絵は、日光門主の宮様の行列といわれているもの。郷土博物館と話し合って制作。日光街道と日光西街道合わせて28宿で販売しており、各宿で工夫を凝らしたデザインをそろえた。
「新型コロナウイルス感染拡大の影響により、地域経済は深刻なダメージを受けた。そしていまだにコロナ禍にある現在、大規模なイベントはできず、ウィズコロナ時代にかなう来街者を集める工夫が必要だった」と足立区観光交流協会の根本彩乃さんは話す。「来街者は好きな時間、好きな場所、好きな人と訪れることができる。まさにウィズコロナ時代のマイクロツーリズムとしてふさわしいもの。地域活性化につながれば」と期待を込める。
「江戸四宿の中で一番栄えていたといわれる千住宿。物資が集い、商家が栄えた宿場町の面影が今なお街のあちこちに残っている。ぜひ御宿場印を持って千住を巡り、当時の様子に思いをはせてほしい。千住宿御宿場印が千住の街歩きのきっかけになれば」と話す。「街歩きの際には混雑を避け、マスクの着用、手洗いなど感染予防対策に協力を」と呼び掛ける。
価格は1枚300円。