勤労福祉会館(足立区綾瀬1)で1月26日、人権講座「大切な人を守る インターネットとの付き合い方」が行われた。講師は足立区出身の芸人スマイリーキクチさん。主催は足立区・足立地区人権擁護委員会。
今回の講座は、ネットによる人権侵害が急速に広まる中、スマイリーキクチさんが身に覚えのない殺人事件の犯人だとネットに書き込まれ、その後10年以上にもわたり、誹謗(ひぼう)中傷を受け続けた自身の経験談を交えながら、被害を受けないためのネットの正しい利用方法、ネットととの付き合い方をレクチャーした。
間違った情報をネットで流し、それを正しい情報と認識され目に見えないところで拡散されてしまう恐ろしさや、ネットでは、その履歴を消すことが難しい言葉の暴力。スマイリーキクチさんは、漢字一文字を使い、「ネットでの書き込みの際、一度『止』めて、『一』回冷静な判断・正常な心で確認し、『正』しい情報を投稿してほしい」と呼び掛けた。
そのほか、外で何か起こったときに道路標識で自分の現在地がわかることや、「言質(げんち)」の大切さを説明した。
スマイリーキクチさんは毒舌漫談スタイルのピン芸人としてラジオ・テレビで活躍中。2月15日に放送されるNHK-BS地域発ドラマ「千住クレイジーボーイズ」にも出演予定。10年以上の長きにわたり、日本を震撼させた凶悪殺人事件の実行犯であるなどとする、いわれなき誹謗・中傷を長期にわたりネット上で受けた。その戦いを記した著書「突然、僕は殺人犯にされた~ネット中傷被害を受けた10年間~」(竹書房文庫)は当時、話題となった。
足立区では、人権問題を幅広く扱う区民向けの講座を毎年開いている。