西新井文化ホール(足立区栗原1)で8月15日、「住み慣れた家で最期まで過ごすための市民の集い」が開催された。主催は、NPO法人楽患ねっと(TEL 03-6806-3920)。
在宅看取りを経験した家族や医療・福祉関係者を招き、「在宅看取(みと)り」を考えることを目的とした同イベント。
前半は、両親を10年間介護したアナウンサーの町亞星さんが基調講演を行った。町さんが介護を始めた16年前は介護制度が整っていなかった状況をはじめ、「できないことではなく、できることを数える」「一番つらくて、もどかしさを感じているのは本人」「『もし自分だったら』と考える」など、実体験に基づいた発想の転換方法を伝えた。
後半は、看取り経験のある家族や、訪問医、緩和ケア医、訪問看護師、ケアマネージャー、訪問介護士がそれぞれの立場から、「在宅療養」に関する思いや疑問について答えるパネルディスカッションを行った。妻の看取り経験がある福井さんは「20年間夫婦二人で過ごしてきたから、住み慣れた家で最期を過ごすのは願いだった」と話す。
介護福祉士の松田さんは、本人が安心する家にいたいとの思いから在宅療養を決意。「途中精神的にもきつくなり、入院も考えたが、祖母・祖父にとっての『ひ孫』の存在が、祖父母と自分自身の支えになった。毎日来てくれる訪問看護師が、家族の話を聞いてくれたり、専門的なことレクチャーしてくれたりして、とても心強く頼りになった」と振り返る。