東京拘置所(葛飾区小菅1、03-3690-6682)で9月29日、「矯正祭」が開催された。
「同施設の運営と矯正行政に対する一般社会の皆様の理解を一層深めるとともに、刑務作業の現状と重要性について広く知っていただくこと」を目的に開いている同イベント。昨年は1万5000人以上が来場し、今回で7回目を迎える。
7人組ダンスボーカルユニット「DA PUMP」、「NGT48」の中井りかさん・西村菜那子さん及び施設周辺地域自治会長により行われたテープカットでイベントがスタート。
「DA PUMP」のボーカル、ISSAさんはテープカットセレモニーのあいさつで「地域の方の安心と安全の協力に感謝。僕たちにできることは、歌とダンスで喜んでいただくことなので一緒に盛り上がりましょう」とヒット曲「U.S.A」を披露。来場者からは大きな歓声が上がり、掛け声とともに振り付けを踊った。広報担当の職員は「イベントを楽しみにして、昨夜23時から並んでいる方がいた」と話す。
セレモニー直後から雨が降りだしたものの、会場内の熱気は冷めやらず多くの来場者がひしめき合っていた。
「刑務所作業製品販売ブース」では、各刑務所で作業された作品などが即売展示された。函館少年刑務所の「丸獄シリーズ」製品のブックカバー、前掛けや、市原刑務所のしいたけ、横浜刑務所の細うどん、横須賀刑務支所の固形洗剤「ブルースティック」などが並んだ。
「協力企業・自治会等製品販売ブース」では、拘置所の収容者に配られる食事のレシピを再現した「プリズン弁当(450円)が販売された。弁当は3種類あり「鶏のから揚げ」「酢豚風肉団子」「豚の生姜焼き」の各メインに、米3・麦7の割合の飯と、山菜、漬物が添えられたものもの。「プリズンカレー(400円)」は1、000食を用意。40分並んでようやく手に入れた足立区から来た50代の男性は「こんなに人気だとは思っていなくてびっくりした。家に持ち帰ってゆっくり味わいたいと思う」と話した。
「矯正広報・性格検査体験ブース 」では、近年の刑事施設における現状と社会のつながりや、受刑者の刑務作業に取り組む様子がパネルに展示された。無料の性格検査体験も行われ、参加者は60問の設問に答えマークシートに記入。数分後に自身の性格が記載された紙が渡された。
拘置所の広報担当職員は「矯正祭では、色々な交流を持たせていただいている。地域のご協力あっての当施設なので、今後ともご理解、ご協力をお願いしたい」と呼び掛ける。