千住の古民家にある「千寿てまり工房」(足立区千住東2)で10月7日めんこい手まり作りイベントが行われた。
秋田県由利本荘市の伝統工芸品「本荘ごてんまり」を作っている「ごてんまりを愛する会」代表の阿部登志子さんを迎え、手まり作りを体験しながら人とのつながりの大切さを学んだ。
本荘ごてんまりの作り方は、(1)土台作り(基本の形となる地巻きをして球形を作る)、(2)地割り(模様を刺すための案内線を入れる)、(3)模様を刺す、(4)房を付ける までが基本的な工程。模様は、古くから伝わる「菊」「狐(きつね)の迷い道」などがあり、ほかに「桜」「花火」などの和風模様、ほかに「バラ」「サンタクロース」など洋風模様もある。
参加者は、もみ殻から、あらかじめ地巻き・地割りをして用意された土台まりに、花火柄の模様をかがった。
イベントを主催者した秋田県由利本荘市出身の佐藤裕佳さんは、「参加者はほとんど初対面。道具の貸し借りや教え合い、手まり作りを通してコミュニケーションが生まれ2時間と短い時間ながらも、千住で新たな交流が生まれた。地元の文化が出会いや会話のきっかけになったことをうれしかった」と話す。また、「参加者からも高評価を頂き、後継者不在に悩む地域の手毬文化だが、楽しんで存続していく道はあると思う」とも。
同イベント講師の阿部さんは「東京でこんなに手まりを楽しそうに作ってもらえるなんて」と喜びの表情を見せた。
今後も同会場で手まり作りイベントを開いていく予定。来年は、由利本荘市内で、毎年行われている「全国ごてんまりコンクール」への出展を目標にしているという。