足立区内の小学生1~6年生を対象にした特別講演会「子どものコミュ力UP術」が9月28日、東京電機大学東京千住キャンパス(足立区千住旭町)で開かれた。
参加人数は100人近くの親子連れで見られ、パネル画面を使いクイズ形式の場面も
同講演は、同区内の各大学が持つ子育てや教育に関する知見を子育ての中の保護者に伝え、子ども自身が持っている力を引き出し伸ばすことを各家庭で実践できるよう支援をすることを目的に、2019(令和元)年8月から行っている「子どもの未来のために 子育て・教育応援」シリーズ第2弾となる。講師は、同大学理工学部情報システムデザイン学系教授の小林春美さん。
今回は、子どもたちが、自分の気持ちを上手に伝えて、相手の気持ちも察することができるよう、友達関係や生活に役に立つ「浅読みのすすめ」による、コミュニケーション能力を一緒に伸ばす方法や、親子とも上手にコミュニケーションを取れる方法についての話のほか、パネルを使ってクイズ形式にしながら回答していく場面もあった。
小林春美さんは、「最近の研究で、私たちが使っている言語は、表面の(言葉通りの)意味よりも多くの別の意味『含意』を伝えており、それこそが人間の言語コミュニケーションの本質的特徴であることが、ますます明らかとなってきている」と話す。「人はこの含意を読み合って効率的なコミュニケーションをしており、小学生から思春期は、この含意の能力が伸びていく時期に当たる。ところが含意はちょうど適切なレベルで行うのはあまり容易ではないため、つい深く読みすぎて傷ついてしまうことがある。例えば、遊びに誘ったのに、『遊べない』と言われると、自分のことを嫌っているのでは、自分は仲間から疎外されている、などとすぐ考えてしまう場合がある。これは『深読み』に当たり、子どもも大人も、含意をほどほどに浅く読む『浅読み』をすることで、『遊べない』他の理由(たまたま遊べないだけ、など)の可能性に気付くことができ、コミュニケーション力を上げることができると考えられる」とも。