荒川土手で2月14日、「学びピアの縁側 あらかわで土手すべり」が行われた。主催は荒川ビジターセンター(足立区千住5)。
開催当日は天候に恵まれ、空は晴れ渡り気温は17度まで上がった。土手滑りには少し暑いくらいの気候となった。10時、11時、13時、14時と各回30分程度行われ15人ずつが参加した。
集合場所の「学びピア」に集まると、スタッフの山下芙友美さんから土手滑りのポイントと注意事項が話された。「ござの前に座り背中を付けて寝て滑る」「足をしっかり開いて伸ばすとブレーキになる」「前を見て人にぶつからないように」「サーフィンのように立って滑らない」「道具を仲良く使う」「土手は洪水から守ってくれる大切なものなので、削らないようにする」など、参加者は真剣に耳を傾けていた。
説明を聞いた後は荒川土手を10分ほど歩いて、角度のある斜面の陸橋沿いへ到着。再度ポイントを確認し、家族連れや友達同士、思い思いに土手滑りを楽しんだ。スタッフが制作したダンボールをつなぎ合わせたロング滑り台で、さらに加速をつけスリルを味わう様子も見られた。
荒川の土手滑りは昔から行われている。昭和30年ごろは、古いござやトタン板の切れ端を利用して滑っていた。こもなどのほか角材を使って手作りのそりを作り、よく滑るようにろうを塗るなど工夫を凝らして土手滑りを楽しんでいる人もいた。
冬の土手は植物が枯れ、滑りやすいので夏よりも土手滑りに適している。この時期の荒川河川敷では、テントウムシやホトケノザなど春の訪れを感じる昆虫や植物を観察することができる。この日は晴れた日にしか花を開かないオオイヌノフグリも見られた。
南花畑から参加した渡辺英明さんは「子どものころによくやっていた懐かしい遊びを、今日は孫と楽しむことができて良かった。子どもたちにはこのような体験が大切」と話す。「都会ではこうした遊びができないので、良い機会だった」と妻の和子さんも続ける。初めて体験した孫の稜慶(いちか)くん(小3)は「おじいちゃんと滑って迫力があった。またやってみたい」と息を弾ませていた。