都市農業公園(足立区鹿浜)で梅が見ごろを迎えている。
園内の梅林には15種類約30本の紅白の梅が植えられており、1月から3月にかけて梅を楽しむことができる。同園の梅は農薬を全く使わずに育て、梅の下の除草をあえて行わないことにより虫を多く集め害虫のバランスを取る農法を取り入れている。
同園では毎年梅雨の時期に梅の収穫を行っており、生の梅を販売していた。しかし、痛みの早い生の梅を販売する事に限界を感じていた。そんな折、来園客より「梅干しはないの」という声があがった。「それならば都市農業公園にある珍しい梅で、梅干しを作ってみようじゃないか」と梅干の商品化を決めた。
少量の梅を加工してくれる所を探し続けて3年、ようやく協力してくれる作業所「おおやま福祉作業所」(板橋区大山)と巡 り合った。青梅はスタッフの手で丁寧に品種ごとに収穫し、加工にまわしている。
使われている梅の品種は八重寒紅、八重唐梅、月影、小梅、玉英、冬至、南高梅など。「花梅は実梅よりも皮がとても薄く、食感が柔らかい」と、同園広報担当の木村万璃子さんは特徴を話す。「『小梅』はその名の通り、小粒で一粒食べきりサイズ。お弁当に入れるのにちょうどよい。『南高梅』は実梅として有名な品種で、肉厚で皮もしっかりしており崩れにくい。種も小さく可食部分が多い」という。来園者からは「いつも来ている公園の梅干しが食べられて嬉しい」「色々な種類があって味の違いを楽しんでいる。」との声が寄せられている。
木村さんは「都市農業公園産の梅干しが今年も出来た。昔ながらの懐かしい味でおにぎりやお茶漬けにぴったり。無農薬で安心安全、数量限定の貴重な梅干しを味わって欲しい」と呼び掛ける。