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昨年廃業「キングオブ銭湯」大黒湯の屋根、寺に移築保存へ CFで協力呼びかけ

大黒湯「唐破風屋根」を現在、移送工事を行っている。

大黒湯「唐破風屋根」を現在、移送工事を行っている。

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「キングオブ銭湯」の愛称で親しまれていたが、昨年6月で廃業した「大黒湯」(足立区千住寿)の建造物の一部が地元の寺院「安養院」(千住5) に移築保存されることになった。

ありし日の銭湯「大黒湯」。入口の屋根「唐破風屋根」が「安養院」に移築保存される

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 同銭湯を利用していた地元の常連の人たちや子どもの頃通っていた人、全国の銭湯ファンからも「せめて建物だけでも有効活用してほしい」とのいう声を受け、安養院の住職・内藤良家さんの思いも重なり今回実現の運びとなった。

 保存移築するのは、同銭湯の入り口の屋根の部分だった「唐破風屋根」。現在、屋根の下地工事がほぼ完了し、銅板の取り付けや内装作業が始まっている。

 今回の移築保存の実現のため、あだち銭湯文化普及の会が現在、移築・保存費用を集めるためクラウドファンディングで協力を呼びかけている。

 内藤さんは「千住の財産には間違いないが、それ以上に、ある時代、ある地域にしか建てられなかった貴重な日本の文化財」と話す。「失ってしまったら二度と造れない建物だと思うと、悔いが残る。正面の唐破風屋根部分だけだが、移築保存できて、多くの皆さんにも喜んでもらえたら」と話す。

 同プロジェクトに参加している「千住いえまち」メンバーの船橋左斗子さんは「『キングオブ銭湯』と呼ばれた千住の大黒湯の廃業は日本中をざわつかせた。諦めかけたそのときに『唐破風屋根の移築保存』というプロジェクトが発足した」と話す。「歴史的にもとても貴重な、そして新名所が生まれるかもしれないこのプロジェクトにぜひ、多くの人に加わっていただけたら」と協力を呼びかける。

 クラウドファンディングの目標金額は300万円で、6月末まで。

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