食品スーパー「東武ストア北千住店」(足立区千住1)が2月11日、「TOPOS(トポス)北千住店」跡にオープンした。
2016(平成28)年11月、日本最後の1店となった「トポス北千住店」が位置する千住本町センター沿いの地域が「千住一丁目地区第一種市街地再開発事業」に含まれることから閉店。同年4月にはイトーヨーカドーの1号店だったディスカウント店「イトーヨーカドー・ザ・プライス」(千住3)も閉店。近隣の総合スーパー2店舗を失った地域住民は「買い物難民」と呼ばれるほどまで話題となった。
2019(平成31)年3月にディスカウント店「イトーヨーカドー・ザ・プライス」は「イトーヨーカドー食品館千住店」として開店したが、「トポス北千住店」跡の商業施設の開店を待ち望む声は続いていた。そして2021年2月に1階が「東武ストア北千住店」、3階~30階はマンションという複合施設に生まれ変わった。
本来は1月29日の開店を予定していたが、緊急事態宣言発出に伴い予定を2週間ずらしての開店となった。コロナ禍の開店という配慮から告知は積極的に行わなかった。
「新しさと古さの両面を持つ北千住。価格と商品価値で、多様な世代に魅力を感じていただきたい。お客さまに一歩でも近づきたいので地産地消にこだわった」という東武ストア取締役常務執行役員商品本部長の多知幸男さんの思いの下、店内には同店にしか置いていない商品が数多く並ぶ。
「総菜コーナー」では、町内にあるネギ商「葱茂」(千住1)から仕入れた千寿ネギを使った「千寿ねぎのかき揚げ」や、組合に足を運んで作り方を学んで仕上げた「東武ストアの文化フライ」を用意。「鮮魚コーナー」「精肉コーナー」では、価格を千住の1,010円に合わせた「千寿にぎり」「千住盛り」「千寿焼肉セット」を販売。「製菓コーナー」には区内菓子メーカー、ミサワ食品(足立4)の「東京久寿餅大判」もそろえた。
10時の開店前におよそ50人の地域住民が列を作ったことから、開店を9時30分に前倒しした。「お年寄りの方が冷えてしまうと心配なので」と多知さん。開店と同時に足を運んでいた千住に住む50代の男性は「歩いてすぐのところに便利なスーパーがまたできて本当に助かる。仕事の帰りにも寄れるので」と出店を歓迎する。
販売本部長の友竹弘幸さん「東武鉄道発祥の地として縁のある北千住だが、東武ストアとしては新参者。本日は初日だが、店を良くしようという思いで従業員一同頑張ってきた。皆さまから愛されるような店になれるよう、一歩一歩進んでいけたら」と意気込みを見せる。
営業時間は9時~10時。