稲荷神社(足立区千住河原町)に鎮座する狛犬が、大きなマスクを着用している。
江戸期、千住掃部宿川原町の鎮守として祭られた同神社。食物、商売繁盛、出世の神様で、東京都中央卸売市場足立市場「やっちゃ場」の守護神である。足立区内最大のこの狛犬は、何でも大きなものが好きな「やっちゃ場」の旦那衆が力比べのために造り上げたもの。
4月に新型コロナウイルスによる非常事態宣言が発令された際に、宮司の倉光秀尚さんが同神社の狛犬にもマスクを着用することを発案。「マスク着用の呼び掛けになってくれれば」という思いを込めたという。
マスクの材料となったのは、祭祀(さいし)用のバスタオル。150センチ×75センチほどの大判サイズのこのタオルを3分の1のサイズに重ね合わせ、ビニールのひもを通してマスクの形に整えた。仕上がったマスクは、狛犬の顔にちょうど収まった。
倉光さんは「コロナが早く終息して、多くの方が安心して参拝できる世の中になってほしい」と願いを話す。