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北千住で「知らない路地の映画祭」 心の声を届けたい

「知らない路地の映画祭」メインスタッフ

「知らない路地の映画祭」メインスタッフ

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 映画祭「知らない路地の映画祭2023」が4月29日・30日の2日間、足立区生涯学習センター学びピア21(足立区千住5)で行われる。主催は制作委員会。

「ラヂヲル」撮影中のふらんすや

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 映画祭は「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」のレジデントアーティスト・友政麻理子さんが発起人となり、2015(平成27)年に立ち上げられた。2018(平成30)年からは、参加者自らが運営する制作委員会を設立し活動している。コンセプトは「千住に暮らす人やなじみのある人も、知らない路地を歩くように新たな目線で、街の姿や表情をカメラを通して見つめ感じてもらうこと」。

 委員会代表の工藤理佳子さんは「この映画祭は足立のさまざまな人との出会いと記憶から誕生した。映画制作は素材集めから始まる。ロケハン散歩や出会った人々との語らいを通して映画の素を探していく。シナリオ作りはもちろん、撮影や編集、音楽、監督もプロはおらず一般参加者が担う。映画は多くの人の力を借りてできる」という。「映画は観客の皆さんに見ていただくことで初めて像を結ぶ。映画作りを通して私たちが暮らす身近な街を『知らない街』として捉えることで、街の新たな一面を浮かび上がらせる」と話す。

 撮影のスケジュールは、天候や演者の都合により変わっていく。臨機応変に対応する理佳子さんは「それが楽しくてやっている」という。「ちっちゃいころから知っている子が大きくなって映画に出演してくれる。涙が出そう。みんなを巻き込んで、みんなで作り上げている」と目を細める。「毎回、今できることはここまでだけど、限界をつくらずやり切ってきた。それを楽しんで参加してくれて作品ごとのチームができて、たくさんの出会いと縁ができて、私たちの映画作りというコミュニティーは類を見ないものだと、今さらながら自覚している」と話す。

 オムニバス形式の上映作品は、工藤理佳子さん・康浩さんが監督を務める「ラヂヲル」、「Have a nice...」、郡司瑛瑠さん、さくらさんが監督を務める「おそろいリベンジ」、木村文男さんが監督を務める「日常」、小日山拓也さんが監督を務める「蝦蛄んぬ~chaconne~」など各回5作品を上映する。

 「ラヂヲル」は、地元のネットラジオ局「Cwave」で理佳子さんが7年続けてきた番組「千住でクロス!」のオマージュ作品。「出演してくれた120人を超えるゲストの方や局にどうしたら感謝できるか、見えない心の声をどうしたら届けられるのかを考えた。一貫してグリーフケアをテーマに、いつも主人公を見守るまちの人たちと同じ視座にいて、作品を作ってきた私はマイク越しに見ていた景色をどうしても伝えたくなった。人の心の声だけでかっこいい千住の映像を創造したいと思った」と思いを話す。

 理佳子さんが「知らない路地の映画祭」に参加するきっかけとなった日に偶然出会ったという、当時7歳だった同作品主演の地元の中学校に通う野口琉生さんは「こんなにたくさんの思いが詰まった作品の主演に選ばれて本当にありがたい」と話す。理佳子さんは「土と風と人の温もりを感じる千住。ワクワクしながら人は集う。だから、私の一番好きなかっこいい千住、千住新橋を走行する車窓からの千住の輪郭のシーンと、家族のカタチはそれぞれだが、自分を諦めない自立した家族の姿を、その象徴にした。作品に忍ばせた思いが見えない声となって映画祭の日に届くとうれしい。ユーチューブで配信している予告もご覧いただけたら」と呼びかける。

 両日共2部制で、上映時間は2時間30分を予定。各回ホームページで事前予約制だが、当日受け付けも可。参加協力金は大人500円、中学生以下無料。

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